設楽町の古民家改修 ~理事長のブログ~


記事更新日:2016年02月22日
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設楽町東納倉地内。
ここは豊田市稲武町の少し手前、ほぼ茶臼山スカイライン入り口近くの開けた集落の一角です。
冬場は1メートル程雪が積もる年もあるそうです。
実は本社から1時間弱の所に、これ程気候風土の違う地域があるのであります。
このあたりの古民家は、奥三河の釜屋造りの古民家とはまた一味違った雪国に近い古民家造りになっております。今回の古民家は、148年前の明治元年(1868年)の完成、その後茅葺の合掌造りの屋根を取り払い、切妻造りの瓦葺へと屋根部分の構造骨組みを改造した造りであります。

瓦が一般庶民に手が届くようになり、茅葺合掌造りの屋根からこの様に構造を変えた改造工事の跡などを古民家の解体工事中に多く見かける事があります。

この148年経過した古民家の特徴は、土台や柱に今では珍しい栗の木が多く使われておりました。

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今回のリフォームの最大の特徴は耐震改修を現行法ではなく、伝統構法を取り入れた限界耐力計算で昔の構造工法を変えることなく、忠実に以前の建物の耐震性の安全を計算で裏付けていること。
剛で強い耐力壁や金物ボルトを使わずに、柔で柔らかい土壁や堅木の込み栓や楔(くさび)で継手や仕口を柔らかく固定していきます。

また長い年月で床下の土と接する自然石の上の柱脚部分が、湿気で腐り陥没し、建物が傾いている為に曳家(家を上下水平に移動させる業者)により地上より

今回のリフォームの最大の特徴は耐震改修を現行法ではなく、伝統構法を取り入れた限界耐力計算で昔の構造工法を変えることなく、忠実に以前の建物の耐震性の安全を計算で裏付けていること。

1メーター程浮かし、腐った柱を高度な技術でつなぎ合わせると同時に傾いた家の修正とレベル合わせを行いました。

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腐りの部分の部位の取り換え。(これが鉄やコンクリートの様に溶接や型枠にコンクリートを流し込む様な訳にはまいりません。)

木と木をボルトや接着剤無しで繋ぎ合わせる、これが大工の高度な技そのものであります。

また壁も柔らかい土壁、今回は新しい商品の乾式の認定品、荒壁パネル(工場生産)を現場で取り付けました。

この様に古民家の伝統構法の改修工事にも荒壁パネルの様なハイテク商材も多く出回ると同時に、今私共が進めている早稲田式動的耐震性能診断などハイテク機材を使っての耐震測定など、経験値のみでなく時代の流れに沿うべきローテクとハイテク、アナログとデジタル、過去と未来などを感性の中に織り込んで、どちらにも傾かない新旧のバランスのとれた技術の習得をこの伝統構法から学び、将来に備えたいものであります。